maoyu915

チャーリー・チャップリン、キング牧師、オバマ大統領。人々の心を動かし、新たしい時代や思想を築いてきた名演説が数々存在します。そんな中、アニメに登場する名演説を挙げるとするならば、私はアニメ「まおゆう」の第9話に出てくるメイド姉の演説を挙げたいと思います。

アニメとしては異例とも言える、約6分強の時間を使った演説です。一人のキャラクターの演説シーンにこれだけの時間が割かれているのは本当に珍しいのではないでしょうか。おそらくこの演説が、本作におけるいわゆる見せ場の一つであって、ストーリー的にも重要な意味合いを持つからでしょう。

この作品での魔王の位置付けは、悪の総大将ではなく、科学と技術でより良い世界を作ろうとする一国の主です。身分を隠し、学者として人間界で様々な技術革命を起こしますが、利権を守ろうとする教会に目を付けられ、身柄を拘束されそうになります。農奴(奴隷)でありながら魔王の屋敷でメイドとして働くことを許され、人として生きる道を与えられたメイド姉は、魔王を守るため影武者となって代わりに教会へ拘束される覚悟を決めます。教会への身柄引き渡し当日、見せしめとして大衆の前で無慈悲な暴力を受ける中、メイド姉は立ち上がり、農奴の出身である自身の生い立ちと、それを知りながら人として生きる道を与えてくれた人の優しさ、どんな身分や状況でも善き者であろうと選択することのできる自由について、大衆に説きます。

精霊や教会など、作品の設定や背景を理解しているとより心に響くので、興味のある方はウィキペディア先生などに聞いてみてください。もちろん作品自体を観ても面白いですし、原作を読むのも良いと思います。