今回は芸術家とデザイナーの違いについて、自分の考えを書きたいと思います。

両者は世間一般的に似たような認識を持たれているような気がしますが、本質的にはまったく別の職業です。

芸術家の本質は「自分の内にあるものを表現する」こと。
デザイナーの本質は「自分の外にあるものを表現する」こと。

芸術は制作物そのものが目的なのに対し、デザイナーの制作物はあくまで目的を達成するための手段です。

芸術家は自分の世界観を表現することが仕事であり、表現したものが万人に受け入れられる必要はありません。
万人が受け入れる世界観を持つ芸術家もいれば、一部に熱狂的なファンを持つ芸術家もいると思います。
万人に受け入れられるように改良することはなく、ひたすら自分の世界観だけを追求します。
それが芸術家だと思います。

デザイナーはクライアントの表現したいものを追求することが仕事であり、ターゲットとする人々に確実に受け入れられる必要があります。
他のデザイナーとの差別化を図るために個性を磨く必要はありますが、それはあくまでクライアントの表現したいものを表現するための手段でしかありません。

確かに、芸術性の高いデザインをするデザイナーもいますし、私も昔は「デザイナーはおしゃれなものを考える職業だ」と思っていた時期もありますが、それはデザイナーのほんの一握りでしかありません。
おしゃれなものを作れるデザイナーが良いデザイナーなのではなく、目的を果たすためのデザインができるのが良いデザイナーの条件だと思います。