オリンピックや世界水泳を見ていると、一つ疑問に思うことがあります。
陸上競技やその他の競技では黒人の選手が大活躍しているのに、水泳選手はほとんどが白人ということです。
いったい何故でしょうか。

少し考えてまず思い付くのは、途上国ではプールの施設自体が少ないのではないかということです。
日本やカナダでは公共施設のプールを誰もが格安で利用できるため実感がありませんが、プールの運営費というのは相当に大きい金額だと思います。
私の通っていた高校には室内温水プールがありましたが、温水を保つことに費用がかかり過ぎることから、室内プールがあるにも関わらず冬の間はプールが使えませんでした。
わかりづらい例えになってしまいましたが、公立高校が弱小水泳部のために温水プールを用意してくれないぐらいには費用がかかるということです。
おそらく途上国で国民が身近に利用できるようなプールを作ることは簡単ではないでしょう。

ですが、途上国=黒人という考え方は明らかな偏見ですし、先進国にも他のスポーツで活躍している黒人選手が山ほどいます。
なぜ水泳だけに有名な黒人選手がいないのでしょうか。

色々と説があり、黒人の体の構造(骨密度やら筋肉の質やら)が水泳に向いていないというような説もあるようですが、結論から言うと人種差別を基にする理由が大きいそうです。
あからさまな人種差別が減ったとは言え、根付いているものは強く、黒人の方が住む地域というのは白人が多く住む場所とは少し違います。
具体的には経済的な格差によりスラムに住んでいる方が多いということです。
当然スラム街や低所得層が住む地域にプールのような施設がある可能性は少ないです。
結果として、あまり馴染みがないスポーツとなってしまいます。
経済的な理由ということで、冒頭のように途上国に施設が少ないということとも繋がっています。

あとは、水泳自体があまりお金を稼げるスポーツではないということも関係しているそうです。
確かに、野球やサッカーはプロがいるのに対して、プロの水泳選手というのはほとんどいません。
日本でも北島選手が初めてスポンサーを付けたプロの水泳選手になったというのをニュースで見た記憶があります。
あまり儲からない競技なのです。

ちなみに体の構造に関する説はのアメリカのCullen Jones(カレン・ジョーンズ)選手が金メダルを獲ることで否定しています。

ロードレース(自転車レース)のように備品にお金がかかる競技や、水泳のように設備投資が必要な競技というのは、経済格差の問題を含んだ競技と言えるかもしれません。
どの競技も道具や練習環境、練習時間を確保できるお金持ちが有利ということには変わりませんが、そういった壁が無くなれば理想的だと思います。
一方で、経営的な視点がないとスポーツで成功するのは難しいということでもあるのだと思います。